小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

159 ペットにはつらい季節 hanaのため息

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このところ、私の家で飼っているゴールデンレトリーバーの「hana」は散歩を嫌がる。朝も夕方も散歩に連れ出そうとすると、横になって寝たふりをするのである。この暑さに参り、エアコンの効いた部屋の方が楽だと、動物的勘が働くのだろうか。 仕方なく、リードを引っ張り、無理やり散歩に連れ出す。途中までは、帰りたがって、座り込んだりする。その力は強く、私がいない夕方の散歩に家族はかなり難渋するらしい。私は、座り込んだときには「ストレート、ゴー」と低い声で言う。Hanaの目はもちろん見ない。すると、彼女はすうっと立って、すたすたと歩き出す。 ことしの夏は猛烈な暑さが続いている。人間の私たちが参っているのだから、毛皮を着た犬族にはそれ以上の厳しい毎日なのだと思われる。しかも、ゴールデンレトリーバーは毛が長い。昨年は、サマーカットと称して、その長い毛を切ったので、比較的涼しく夏を送ったのかもしれない。 家族は、昨年のカットしたhanaの姿を覚えていて「不格好だから、ことしはやめよう」と言い出した。そのために、この夏のhanaは文字通り厚い毛皮姿で毎日を送っている。夜中に「ハアハア」という苦しげな息づかいを聞くと、大丈夫かと心配になる。そんな日々が続いているのだ。 地球の温暖化現象は、私たち人類の生活に由来して起きたことは間違いない。しかし、いま地球上では、先進国と途上国の国民はあまりにも異なる生活を送り、途上国には地球温暖化へ配慮する余裕はない。 とすれば、繁栄を享受した先進国側が途上国を巻き込んで、その対策を講じなければならない。それができなければ、温暖化はますます進行すると懸念する。 それにしても、動物は鋭い勘があると思う。hanaは涼しいところで寝場所を確保して、一日のほとんどを眠りに向けている。それが、彼女の仕事なのだろう。