小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

57 松井記念館を見た トロフィーに驚く

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大リーグ・ヤンキース松井秀喜の出身地は石川県根上町だ。町村合併で現在は能美市根上町になっているが、松井といえば、やはり根上町出身として有名だ。 そこは小松空港から近い田園地帯である。生まれた家に隣接して05年12月にオープンした「松井秀喜ベースボールミュージアム」という名の記念館があるというので、石川に行ったついでに立ち寄った。 車で近くに行くと、田んぼの真ん中に結婚式場と間違えそうな建物があるのが目に付いた。それが記念館だった。 玄関には警備員が配置されており、300円を払って中に入った。これまで使ったバット、ユニフォームや松井が獲得した数々のトロフィー、ホームランシーンの写真が飾られている。根上長の町民栄誉賞、石川県の県民栄誉賞のコーナーもある。 これだけの品々を飾るには、とても一般の家庭では無理だろう。それほどに松井は活躍したということだろう。松井は、甲子園で5打席全部敬遠され、一躍全国的に有名になった。 巨人時代の活躍はいまさら説明の必要がない。そして、大リーガーになっても連続試合出場を続けていたのに、ことし6月、飛球を捕ろうとして左手首を骨折した。野球生命が心配されるほどの大けがだった。その際、ファンの多くから激励の手紙やはがき、千羽鶴が寄せられた。記念館にはそれらも飾られ、松井の人気の高さを思わせる。 現役選手のこうした記念館はあまり聞いたことがない。中日の落合監督和歌山県大地町に「落合博満記念館」をオープンしているはずだが、引退後だいぶ経過してからの話だった。 松井の場合、たぶん父親が積極的に開設に動いたのだろう。それにしても、本人にテレはないのだろうか。現在はアメリカで生活し、シーズンオフに日本に短期間だけしかいないので、我慢をしたのかもしれない。そう思えば、否定することもないか。 しかも、入場料も300円(中学生以下100円)と安いのは良心的だ。(落合の方は大人2000円、子ども1000円と高い)何もない空港で時間をつぶすなら、記念館に行ってみるのも悪くはない。 ただ、これだけのものができてしまうと、これから松井が活躍をしなければ、記念館の存在自体が「物笑い」のタネになってしまう恐れもあるだろう。彼が好漢だけに、余計な心配をしてしまうのだ。