小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

33 日ハムの日本一に驚く

北海道は、数年前まではプロ野球といえば、圧倒的に巨人ファンが多かった。

だから、パリーグのあまり人気のない日本ハムが東京ドームから、札幌ドームに本拠地を移したときは、「大丈夫なのか」という声が強かった。

だが、それはきょうの日本一で杞憂に終わった。だれが、北海道への本拠地移動3年目で日本シリーズ優勝を予想しただろうか。「パリーグのお荷物」になることを心配する人もいたほどなのだ。

きょうのテレビ放送を見ていて、札幌ドームの雰囲気は阪神戦の甲子園以上ではないかと感じた。それほどの盛り上がりだった。

今季で引退を表明していた新庄という「ムードメーカー」の力はたしかに大きかっただろう。

だが、ヒルマン監督の采配、そして磐石の投手陣、鉄壁の守備、小笠原を中心にしたここぞという時に点の取れる打撃陣、総合力でセリーグの覇者、中日を上回っていたのは間違いない。

昨年の日本一の千葉ロッテにも、同じような条件が備わり、地元の応援も激しいものがあった。

日ハムの日本一は、総合力と地元の熱烈な応援がプラスされた結果であろう。

きょうのように面白い試合を見ていると、かつてのプロ野球の盟主、巨人はどうしたのだといいたくなる。

金を使い、他のチームの4番打者を引き抜き、若手の育成を怠ったのが今日の凋落の原因と思われる。

「人づくり」の大事さは、昨年のロッテ、そして今年の日ハムの日本一という事実が証明しているのである。