小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1912 電動でもペダルを漕いで! 2020年夏の小話

 

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「電動自転車というのに、ペダルを漕がないと動かないのかねえ?」

「乗るだけでは動きませんよ。バッテリーのスイッチを入れ、ペダルを漕ぐ必要があります」  

 このところ急速に普及している、いわゆる「電動自転車」をめぐる落語のような話を聞きました。新型コロナによって暗いニュースが続く中での笑い話のようにも思えますが、私自身の失敗を思い出させるやり取りでもありました。  

 先日のことです。ことし購入した電動自転車を点検してもらうため、自転車店に行きました。私の前に同じ電動自転車を押した高齢の男性が入って行き、店の人とやり取りを始めましたので、私の耳にも入ったのです。電動自転車は正しくは電動アシスト自転車といい、充電式のバッテリーを搭載し、ペダルを漕ぐ力を手助けしてくれるますので、走行が普通の自転車よりかなり楽になっています。そして、高齢の客と自転車店の店員のやり取りは次のように続いたのです。(以下、客と店で表記)  

 客「電動というからには、何もしなくとも動くと思っていたんだ。でも、動かないからペダルを漕いでみたら、重くてねえ。普通の自転車より疲れるよ」  

 店「それはバッテリーのスイッチを入れないからですよ。スイッチを入れてからペダルを漕ぐと、軽く進みますよ。お客様。ここのスイッチは入れていましたか。(ハンドル左側のバッテリーの電源スイッチのこと)入れてない! ほら、この電源を押してペダルを漕ぐと楽になりますよ」  

 客「この自転車を買ってから1カ月経つけど、走るのに重くて大変だった。ペダルを漕がなくてもバイクや車のように進むのかと思っていたよ。そうかい……。なるほどねえ。私はこのスイッチを入れなくとも、自転車に乗れば勝手に動いてくれると思っていたよ。なーんだ。じゃあ、やはり車の方がよかったなあ」  

 店「お客様がお買いになる時、詳しく説明したはずですが、電動といっても、あくまでペダルを漕ぐ力をバッテリーが助けてくれるのです。ですから下り坂は別にして、ほかでは漕がないと進まないのです」  

 客「80歳になったので、運転免許を返上し、この自転車を買ったんだ。でも、重くてねえ。遠出もできないので、おかしいと思っていたんだ。」  

 店「電動補助も3段階ありますよ。急な登り坂ではパワーにして、平らな道は標準にセットしてください。省エネモードもありますよ」  

 客「へえー。そんな機能もあるのかい。じゃあ、これから少し遠くまで行ってみるよ」  

 話が終わると、おじいさんはニコニコしながら店を出て行こうとしました。この人に私は「気を付けて行ってください」と声を掛けました。電動自転車は、結構スピードが出ますので、店の方では販売する際にはかなり詳しく乗り方を説明するはずです。私も説明を聞き、乗り方の指導も受けました。ですから、あのおじいさんも聞いたはずですが、忘れてしまったのでしょうか。いずれにしろ、電動自転車はバイクや車のように動くというのは、大いなる勘違いでした。

 ところで、私も以前、エアコンのことで恥ずかしい勘違いをしたことがあります。それはこんな失敗でした。  フ

 ィルターの掃除機能付きのエアコンは今では珍しくありませんが、この機能付きのエアコンが初めて発売されたのはいまから15年前のことです。私がたまたま古くなったリビングのエアコンを買い替えた時、この製品にしたのです。そして、このエアコンなら掃除は不要と思い込み、その後長い間内部を掃除しなかったのです。詳しくは後段のリンク「482 お掃除エアコンの勘違い 

 CMを信じ恥ずかしい体験」に譲りますが、4年後にフィルターの掃除機能付きでも時々はエアコンユニットの掃除が必要だと聞いたのです。慌てて中を開けてみますと、驚くほどのほこりとごみがたまっていました。購入当時、詳しく説明を聞いた記憶がなく、説明書も真剣に読まなかったため、人が聞いたら笑えるような失敗をしてしまったのでしょうね。  さて、あのおじいさんは電動自転車の乗り方をマスターしたでしょうか。この街に住んでいるはずですから、いずれはすいすいと自転車を楽しむ姿に出会うかもしれません。  

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写真1、赤い芙蓉のハナ 2、もう咲いた彼岸花(品種改良で7月に咲くものもあるそうだ)  

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482 お掃除エアコンの勘違い CMを信じ恥ずかしい体験