小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1750 厳寒の朝の話題 ジャーナリズムの原点

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 今朝の最低気温は氷点下1度で、この冬の最低を記録した。寒い地方の人から見れば、千葉はその程度なのといわれるかもしれないが、やはり体にこたえる。毎朝、近所の広場で続いている6時半からのラジオ体操の参加者は、真夏だと約40人いる。それなのに今朝は9人しかいなかった。  

 朝6時に家を出て、近くの遊歩道を歩いている。春から秋まではこの時間は明るくなっていて、街灯のない調整池周囲の遊歩道を回る。冬の間は街灯のある別の遊歩道を歩くコースに切り替えた。東南の空に右斜め上から月、木星、金星の順で輝いている。見事な天体ショーである。ノルディックウォーキング用のポールを使って歩き始めると、10分もすると、体が温まってくる。犬の散歩、ジョギングの人もいる。  

 途中、開花している紅梅が目に入った。沖縄では「寒緋桜」(緋寒桜ともいう)が咲いたというニュースが出ていたが、こうした寒い季節でも自然界は確実に春に向かって息づいていることを感じる。今朝、配達された新聞を見ると、厚生労働省による「毎月勤労統計」の不正問題が一面に載っていた。特別監査委員会の外部識者が実施した同省の幹部への聞き取り調査に官房長が同席し、質問までしたという。これを許した外部識者もどうかしていると思う。読者の声欄には「政治、官僚、国の制度の劣化」を嘆く声が出ていた。創造力・想像力が欠如し、柔軟な発想ができなくなってしまった組織に未来はないことをこのニュースは如実に物語っている。  

 一方、スポーツ面には全豪オープンで優勝した大坂なおみ選手の記事が出ている。21歳の若さで全米に続き頂点に立ったのだから、才能が開花したといえるだろう。大坂選手とは対照的に、34歳で初優勝(初場所、13勝2敗)した大相撲の玉鷲関は遅咲きの力士だ。2004年の初場所初土俵以来休場はなく、現役最多の1151回という連続出場を続けている頑健な体が、この優勝をもたらした背景にあると思われる。  

 反骨のジャーナリストでノンフィクション作家、本田靖春が亡くなって14年になるが、同じノンフィクション作家の後藤正治が、本田の生涯を取材して『拗ね者たらん』(講談社)という本を出版したことも新聞に出ている。『我、拗ね者として生涯を閉ず』が本田の最後の作品だった。本田の作品を読んで、ジャーナリストを目指す若者も多いだろう。本田はジャーナリズムの原点は「社会の健全性のための活動」と言い続けた。現在、この原点を外れたメディアが数多く存在するのは残念でならない。

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430 『我、拗ね者として生涯を閉ず』 本田靖春の頑固人生  

1509  ジャーナリズムの役割とは むのたけじさんのこと  

写真 1、東南の空に輝く月、木星、金星(月に次いで明るい)2、翌朝の空(木星は月の真下になった)