小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1741 歳末雑感 続・坂の街首里にて(1)

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 那覇首里にいる。最高気温16度と寒く、風も強い年末だ。そんな中、居酒屋のオープンテラスで、夕食のひと時を送った。沖縄の人たちも寒そうにしながら道を歩いている。テレビでは、北海道や日本海側の地方の雪の景色を映し出している。  

 年末年始を自宅から離れて過ごすのは、かなり久しぶりだ。年中無休のメディアに勤務していたから、いつでも呼び出しに応じることができる態勢をとっていた。それだけ、頭の中では緊張状態を保っていたのだろうか。羽田空港で、元同僚と偶然に会った。奥さんの実家の福岡に行くところだった。腰の骨を折る大けがを克服した元同僚は杖に頼って歩いていた。彼の完全治癒を願って別れた。  

 首里城周辺を散歩していると、外国人が目立つ。欧米系の人よりも中国や台湾の人と思われる人たちが圧倒的である。日本列島の中で、沖縄は四季を通じて温暖という印象があるから、このところの寒さに観光客も驚いているかもしれない。いずれにしろ、まぶしい陽光が待ち遠しい。  

 首里の街を歩きながら、ことし1年を振り返った。昨年に続き政治の動きに憤りを感じた1年だった。政治家というよりも政治屋という人種が多い国会に半ば絶望しながら、ニュースを見続けた。働き方改革法案、統合型リゾート実施法(いわゆるカジノ法案)、外国人人材の大幅受け入れを認める出入国管理法改正案など重要法案は、いずれも強行採決で成立した。年末の国際捕鯨委員会(IWC)脱退という時代錯誤の政策にも驚いた。政治にもはや希望を持つことはできないのだろうか。それでも内閣支持率が高いのは現代の7不思議の1つではないか。(あとの6つは皆さんで自由に考えてください)  

 私の今年の漢字は「復」といえる。というのは、昨年9月に右足の大腿四頭筋断裂というけがをして、リハビリを兼ねてスポーツジムに通い詰めた。その結果、けがはほぼ回復した。今年の年賀状に書いた「目標は健脚を取り戻すこと」までにはもう少しの時間が必要だが、もう大丈夫だ。だが、私が現在滞在している沖縄の「復」はまだまだだ。名護・辺野古の米軍基地のための土砂流入作業は今日も続いている。2019年の沖縄と日本はどのような歩みをするのか、注視し続けたいと思う。(続く)

 写真 那覇首里の崎山公園から見た那覇の風景

前回の「坂の街首里にて」のブログ↓  

1651 坂の街首里にて(1) 歴史遺産とともに