小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

1601 つまらないことが多すぎる 昨今の日本

 

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 どうも、いまの日本はつまらないことが多すぎる。つまらないは、つまらぬとも言うが、広辞苑を引くと、5つの意味があるという。今朝の新聞記事を見ながら、ついそれらの意味を考えてしまった。  

 広辞苑によると、それは①道理に合わない。得心できない②意に満たない。おもしろくない③とるに足らない。価値がない④ばかげている。とんでもない⑤金に困る。うまくゆかない―ことだそうだ。  

 今朝の新聞記事を見る。この5つに当てはまるニュースが載っている。北朝鮮の新型ICBM大陸間弾道ミサイル)発射、大相撲横綱日馬富士引退、大手化学企業東レの子会社の品質データ改ざんで元東レ社長・榊原定征経団連会長が陳謝、非鉄金属大手、三菱マテリアルの品質データ改ざんに絡んで三菱アルミニウムでも同様の改ざん、森友学園の国有地売却問題で財務省の佐川宣寿前理財局長(国税庁長官)の国会答弁を覆す音声データの存在で、財務省が釈明に追われる―等々だ。  

 北朝鮮ICBMの発射は、国際社会の圧力強化の中で強行されたものであり、④である。しかも、沿岸部の漁業権を中国に売り渡し、自国の漁民にぼろ船で日本の排他的水域(他国から侵害されない権利を持つ)まで操業させ、多くの漁船が日本へ漂着するという事態となっている。国際社会からの圧力によって、この国がこの先変わるかどうか、全く不透明である。  

 日馬富士の引退会見は、不思議な会見だった。それは①でもあり、②でもあった。暴力事件を起こしたことは認めつつ、被害者である貴ノ岩に対しては謝罪せず、「弟弟子が礼儀や礼節がなっていないときには正し、直してあげるのが先輩の義務」「けがを負わせて、心も傷ついていると思う。これから礼儀と礼節を忘れずにちゃんとした生き方をして頑張って行って欲しい」と言い切った。礼儀を知らない後輩に対する鉄拳制裁だったことを示唆した言葉である。貴ノ岩の親方、貴乃花の行動に批判の声もあるが、彼の考えを聞いてみたいと思う。九州場所優勝のインタビューでの白鵬の万歳三唱も、④ではないかと見た人が多いようだ。  

 日馬富士の問題の陰に隠れてしまった印象があるが、角界のけがによる休場力士激増(九州場所は幕内力士9人)は異常である。このまま放置すれば、角界はファンから見捨てられてしまうかもしれない。けが防止の対策を早急に実施する必要があることは言うまでもない。(土俵下へ転落させるダメ押しの禁止もその一つであり、力士側のけがをしない体づくりの研究など、やるべきことは少なくない)    

 日本は優れた製品を売り物にする「ものづくり大国」を自認してきた。しかし、このところ、品質データの改ざんやタカタのエアバッグリコール、日産自動車、スバルの無資格者による完成検査,、神戸製鋼グループの検査データ改ざんなど、品質管理をめぐって企業の姿勢が問われる問題が相次いで表面化している。行き過ぎた合理化がこの背景にあるのだろうか。それは⑤でもある。    

 森友学園加計学園に関しては「忖度」という言葉がクローズアップされた。①そのものなのだが、真相解明にはほど遠いままに時間が過ぎていく印象だ。国会の議員たちは「忖度官僚」の詭弁や嘘を追い詰めることができない。議員らの調査能力が退化しているのだろう。

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            写真 朝霧の調整池周辺