小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

ペット

1141 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(7)家族として生きた証

ゴールデンレトリーバーは、「金髪の回収犬」という意味があるそうだ。ハンターが撃ち落としたキジなどの獲物をくわえて、主人のもとへ運ぶ役割を担っていたのだ。それが物を拾うことが好きという習性となり、投げられたボールや棒を取ってくる遊びが大好き…

1140 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(6)後輩ハナとともに

hanaが旅立ってから、朝の散歩はしていない。その代わりに始めたのがラジオ体操だ。自宅から約200メートル離れた遊歩道の一角に大きな円形の花壇があり、その周囲が広場になっている。ここで近所の人たちが毎朝6時半からNHKの放送に合わせてラジ…

1139 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(5)一度だけの失敗

このブログを書いている私の部屋では、CDから静かな曲が流れている。ヨーゼフ・ハイドンの交響曲44番≪悲しみ≫(哀悼)だ。ハイドン自身が気に入っていた曲で、葬式には演奏してほしいと希望し、1809年にベルリンで行われた追悼際では第3楽章・アダ…

1138 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(4)私のお母さん

きょう8月5日は、hanaの初七日だ。犬に対しこんな言葉を使うことが適切かどうか分からないが、これまで居間に置いた遺骨と写真を床の間に移した。いずれ土に還す予定だ。夕方、hanaとの散歩コースだった調整池の周囲を一人で歩いた。日中の猛暑が…

1137 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(3) シリウスへの旅立ち

「地球から見える最も光っている一等星シリウス。冬に見える『おおいぬ座』群のリーダー役です。オリオンの近くにあるので簡単に見つけることができます。ハナちゃんはここに帰ったのでしょう」。こんなメッセージが、友人の一人から寄せられた。私は友人の…

1136 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(2) 病に倒れても

動物病院で肝臓に腫瘍が見つかった翌日から、エサは医師の指示で少量ずつを4、5回に分けて食べさせ始めた。しかしドッグフードをエサ用の容器からでは食べようとせず、私たち家族の掌に乗せると、少しだが食べてくれた。散歩にも出る気力はあるが、足元が…

1135 hana物語 あるゴールデンレトリーバー11年の生涯(1) 友よ家族よ

このブログを始めたのは2006年9月のことだった。スタートに当たって、ブログ名を「小径を行く」に決め、紹介文を次のように書いた。「ゴールデンレトリーバー『hana』との散歩を日課にしています。大雨を調整するための人工池の周囲やけやき並木の…

1125 神様の贈り物の時間を生きる… 愛犬をめぐる7つの物語

「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」。スイスでは大型犬に関して、こんな言葉があるという。特にこの国が生まれ故郷であるバーニーズ・マウンテン・ドッグは短命であり、文字通り10歳過ぎると、この犬は急速に…

1112 被災地で見た野犬の話 わが家のhanaの話がアマゾン・キンドル本に

朝のテレビを見ていたら、16歳3カ月のゴールデンレトリーバーが出ていた。東京・渋谷の蕎麦屋の看板犬で、街の人に愛されているという。人間なら100歳を超える「おばあちゃんわんこ」と、ナレーションのアナウンサーが紹介していたが、なかなかいい表…

1075 hanaのつぶやき・私の闘病記 きょうが抜糸でした

昨年暮れに、子宮蓄膿症という病気で子宮摘出の手術を受けた話の続きです。手術を受けたのは12月28日ですから、きょうで19日になりました。きょう、私は10日ぶりに動物病院に行き、血液検査と手術跡の抜糸を受けました。肝臓の調子がおかしかったの…

1068 遠い初富士を見る 「小寒」の散歩道

「初富士のかなしきまでに遠きかな」 山口青邨 暮れに子宮摘出の手術をした我が家の犬は術後の経過が優れない。長い散歩には付き合わせることができないので、このところ一人で散歩をしている。きょう5日は「小寒」。寒いのは当然だ。高台の道を歩いている…

1067 2013年の日の出 東北再生へ!の思い

朝、6時55分に目が覚め、これはいかんと慌てて身づくろいをして、犬たちと外へと飛び出した。初日の出を見るためだ。毎年、同じ場所で見ている。歩いて数分の橋の上だ。近づくと、多くの人が解散していた。早足で橋に行くと、太陽が昇りつつあった。 私の…

1065 hanaのつぶやき 子宮蓄膿症の緊急手術受けました

私はゴールデンレトリーバーの雌で、10歳5ヵ月になりました。このところ体の調子が悪い日が続き、歩くときには足を引きずり、食欲も極端になくなりました。私の変調を心配したお父さんとママ(私の家族はなぜかこんな呼び方をしています)が動物病院に連…

1063 絵のモデルになりました2 歳末のhanaのつぶやき

お父さんが家族に一枚の絵を見せて「どう、hanaに似てるだろう」と、自慢していました。それが、この絵です。あれ!どこかで見た写真にそっくりだと思いませんか。そうです。この16日のブログに載せてある私をモデルにした絵だそうです。 きょう、お父…

1058 hanaの12月のつぶやき お父さんのぼやきと付き合う

きょうは、12月にしては久しぶりに暖かい一日でした。居間の窓際で昼寝をしていると、やわらかい日差しが私の体を包んでくれるようで、気持ちのいい時間を送ることができました。私の横のソファーでは、この冬2回目の風邪をひいたというお父さんがごろご…

7月のhanaのつぶやき 外房の海に入りました

私は今月の1日で10歳になりました。あの日のことはよく覚えています。家族のみんなが集まって、私のために誕生会をしてくれました。ケーキの格好をした豆腐に10本のろうそくを立てて、祝ってくれたのです。でも、私は早く豆腐ケーキを食べたくて、よだ…

964 いつまで続くかよき伝統と風習 5月の陽光を浴びて

きょう5日はこどもの日であり、端午の節句だ。広辞苑をひくと「古来、邪気を払うため菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を軒に挿し、粽(ちまき)や柏餅を食べる。菖蒲と尚武の音通もあって、近世以降は男子の節句とされ、甲冑・武者人形などを飾り、庭前に幟…

953 絵のモデルになりました hanaの4月のつぶやき 9歳のゴールデンレトリーバーです

「一芸に秀でる者は多芸に通ずということわざがある。ある分野を極めた人は他の分野でも優れた才能を発揮することができるという意味だよ」。 旅行先から、大きな荷物を持って帰ってきたお父さんが、その荷物をほどきながら、こんなことを言っていました。ひ…

932 寒い冬でも… hanaの2月のつぶやき

昨年8月以降、私のつぶやきがこのブログに出ていないので、どうしたのかという問い合わせが相次いでいる(?)そうです。大丈夫ですよ、元気ですから。顔の毛は白い色が増え、若い時のように、道を歩いていて「かわいい」と声をかけられることは少なくなり…

930 天を怖れよ 小川未明も嘆く世相

児童文学者・小川未明の「天を怖れよ」という短文を読んだ。9歳になった犬を飼っている。ひときわ寒いこの冬でも、元気そのものだ。毎朝の散歩道をすたすたと歩く犬を見ながら、動物に対し深い愛情を示した未明の文章を反芻する。 《人間は物を言うことがで…

914 たまには後ろ向きで歩いてみよう 暮れなずむ遊歩道で

昨日の夕方、いつもの調整池の周囲の遊歩道を飼い犬のhanaとともに歩いていると、上空が急に黒い雲に覆われ、雨のしずくが少しずつ落ちてきた。大したことはないと歩き続けると、西の空に1回だけ稲妻が走って、ゴロゴロという雷鳴がした。雷が大嫌いなhana…

853 長い夏の終わりに hanaの8月のつぶやき

私は、この夏で9歳になったゴールデンリトリーバーの雌のhanaです。もう9回の夏を過ごしてしまいました。それにしてもことしはいろいろなことがありました。楽しいこと、つらいこと、悲しいことが重なりました。長い間一緒にいて、あんなにつらそうな…

834 hanaとノンちゃんの対話 暑い夏来る

わが家にたまにミニチュアダックスフンドが飼い主たちとともに遊びに来る。名前は通称、ノンちゃん。数カ月わが家で暮らしたこともあって、わが家のゴールデンレトリーバー・hanaとも仲がいい。しかし、このところの猛烈な暑さで2匹ともぐったりとして…

807 翻訳本に浸る ユーモア小説・動物エッセー・冒険ミステリー

脈絡なく翻訳された本を読む。 英国ユーモア小説の古典といわれる「ボートの三人男」(ジェローム・K・ジェローム著)、「ソロモンの指環」の著者で動物行動学という分野を開拓、ノーベル生理学医学賞を受賞したコンラート・ローレンツのエッセー集「人イヌ…

802 4月のhanaのつぶやき 桜が満開ですが・・・

この間の日曜日に、家族と一緒に近所の遊歩道を散歩しました。桜が満開で私(ゴールデンレトリーバー)とちびちゃん(ミニチュアダックスフンド)は大満足ではしゃいで歩きました。でも、家族もあまり元気がないし、道を歩く人たちも様子が変なのです。ふだ…

798 再生への曙光 救助された漂流犬

東日本大震災では死者・不明者が2万7500人以上になることは確実だ。被災地が広範囲に及ぶので、動物たちも甚大な数、津波にのまれただろうと推定する。 人と違って、その数は全く予想ができない。そんな中で4月1日に気仙沼市沖で漂流していた犬(中型…

787 光の春、ウグイスの初音と花粉症と 心弾む散歩の季節

毎朝6時ちょっと過ぎたころ、犬とともに散歩に出る。散歩コースの調整池周辺の小さな森から、ウグイスの鳴き声が聞こえるようになったのはつい先日のことだった。 「ウグイスが初めて鳴くのをどう表現するんだっけ」「ああそうだ。初音だった」なんてことを…

777 逆境にあっても生きる大事さ モンゴメリー 「アンの娘リラ」の読み方

犬と人間との間には信頼関係が芽生える。それが、日本では有名な「忠犬ハチ公」物語という美談になった。これがモデルになって、アメリカ映画の「約束の犬 HACHI」も生まれた。 忠犬ハチ公は、飼い主が亡くなった1925年から10年間から渋谷駅前で…

775 hanaの想像妊娠 未婚の8歳の犬が母乳

人間の世界では「想像妊娠」という言葉がある。実際には妊娠していないのに、妊娠したのと同じような兆候が現れる現象だ。それが犬の場合にも発生することがあることを、わが家の飼い犬のゴールデンレトリーバーのhanaが証明した。 8歳半の老犬の範疇に…

767 「泣きながら頑張れ」 hanaの1月のつぶやき

寒い日が続きますが、みなさんこの寒さに負けず、頑張っていることでしょうね。私はお陰さまで体調は絶好調です。あの夏の暑さに比べたら、いまの季節は極楽ですね。ストーブで暖められた部屋は暑いくらいで、つい廊下に出てしまいます。 実は最近、悲しいこ…