小径を行く

時代の移ろいを見つめた事柄をエッセイ風に書き続けております。現代社会について考えるきっかけになれば幸いです。筆者・石井克則(ブログ名・遊歩)

スポーツ

950 五輪代表になる厳しさ 参加することに意義があるのか

ロンドン五輪代表を決める水泳の全日本選手権が開かれている。スポーツジムで20年近くのんびりとマイペースで泳いでいる私から見ると、別の世界の人間が水をかき分けている。それにしても、五輪は狭き門だと思う。 優勝しても、標準記録を突破しなければ日…

924 1%のひらめきと99%の努力 卓球・福原の初優勝に驚く

いまあるかどうかは分からないが、かつて会社の保養所や温泉旅館には娯楽施設として卓球台があった。下手なもの同士がのんびりと小さなボールを返し合う。「ピンポン」という言葉を聞くと、そうした光景を連想する。そのピンポンを日本語では卓球という。テ…

921 五輪で韓国に勝てないのはなぜなのか 映画・マイウェイで理解した背景

「真実を基に作られたマイウェイの世界」と映画のパンフには書かれてある。第二次世界大戦の大きな分岐点になった連合軍のノルマンディ上陸作戦後、一人の東洋人が捕虜として連合軍の尋問を受ける写真が残っていた。 この映画はこの東洋人捕虜という「事実」…

919 一瞬も無駄にしないひた向きさ サッカー・市立船橋の優勝を見て

プロや社会人、大学という上の年代に比べたら高校生が技術的にも体力的にも劣っているのはだれもが思うことだ。だが、「一瞬の時間も無駄にしない」という点では、高校生のスポーツはひけをとらない。というよりも先輩たちに優っているといっていい。全日本…

916 故郷を思う天才ランナーの言葉 激走のあとの柏原選手

「僕が苦しいのは1時間ちょっとです。福島の人たちに比べたらきつくないです」。東京箱根往復駅伝、往路5区(23・4キロ)をトップで走り切った東洋大学の山登りの天才・柏原竜二は、走り終えた後、インタビューでこう答えた。東日本大震災と原発事故に…

899 野球に夢を見ることができるのか 映画「マネーボール」

プロ野球・巨人の球団人事をめぐって、清武英利球団代表兼GMと読売新聞グループ本社会長・主筆・渡辺恒雄氏の確執が話題になっている。人気球団の内紛だけに、注目が集まったのだろう。そんな騒ぎのときに、大リーグ・オークランド・アスレチックスの実在…

890 プロ野球と民放  BSでしか見られないファイナル・ステージ

民放のTBSグループが、所有していたプロ野球球団、横浜ベイスターズを「モバゲータウン」というインターネット上のゲームサイトを運営するディー・エヌ・エーに譲渡することが決まったというニュースを見た。 同じ夜、プロ野球のセ・パ両リーグともファイ…

851 甲子園に響いた日大三高の校歌 作詞者山本正夫の孫の思いは

夏の甲子園・高校野球全国大会で、東京代表の日大三高が青森代表の光星学院を11―〇でくだして優勝した。「見よや 麗わしの誠の光昇る旭日に ほのぼのと・・・」という(小林大次郎作詞、山本正夫作曲)日大三高の校歌をテレビで聞いた。 負けた光星の選手…

826 松坂と職業病 勤続疲労にどう付き合うか

大リーグ・レッドソックスの松坂大輔投手が野球選手生命の危機になっていると報道された。右腕肘靭帯を痛め、修復手術を受けることになったという。 かつて、野球の投手が肘を故障すると、ほぼ野球生命を断たれた。投手にとって肘の故障は肩を痛めることと同…

786 和の文化はゆすりたかりなのか 米日本部長の極論に驚く

日本は「和の文化」だと一部知識人が使い、欧米の人々にもそう思われているようだ。そうなのだろうかと、米国務省のメア日本部長(前駐沖縄総領事)の沖縄をめぐる問題発言報道を見て考えた。 ウィキペディアで和の文化を引くと、日本民族の文化の本質は個性…

785 話題提供の2人のスポーツ選手 雄飛と転身と

昨今は暗い話題が多い。時代背景なのだろうが、どうせなら明るい話題に接したいと思う。そんな時スポーツをめぐる2人の青年が明るい話題を提供してくれた。 東京マラソンで3位になり、世界陸上出場を内定した埼玉県職員の川内優輝選手(23)と大相撲を引…

779 スポーツは憧れの世界  完全復活近い浅田真央

台北で開かれた4大陸フィギュア選手権で、日本人選手が男女とも金、銀メダルを獲得し、層の厚さを印象付けた。昨日は女子のフリーがあり、早い滑走順の安藤美姫が早々と高得点を出した。ライバルの浅田真央は最終演技で最後までテレビにくぎ付けになった。 …

772 八百長でどこへ行く大相撲 ショーでもつまらない

子どものころ、プロレスの力道山の活躍を楽しみにしていた。空手チョップという伝家の宝刀を武器に、悪役レスラーを倒していく。ちょうど始まった街頭テレビの中継には、多くの人が集まった。当時、それがショーの要素が濃い「興行」だとは知らなかった。相…

759 「若くして流さぬ汗は、年老いて涙となる」 箱根駅伝に出た作家・黒木亮

「ふるさとの雪の中をかいくぐるように 万花の春の野の香りの中をゆくように 早いピッチで小刻みに大地を踏んで 人見知りするような笑顔が少年をのこしている・・・」 昨日ときょうの2日間続いた「第87回箱根駅伝」で、早稲田が総合優勝した。復路の6区…

754 復活したしなやかな浅田真央の演技 爽快なフィギュアの若者たち

フィギュアスケートの浅田真央が全日本選手権で復活し、世界選手権への出場することが決まった。 今シーズン、ジャンプが決まらず、不調が続いていただけに、この復活はフィギュアファンには、うれしいことだろう。ショートでトップに立ったものの安藤美姫に…

747 斎藤に託す北海道の活力 長嶋以来のスターを迎えた札幌ドーム

たまたま札幌周辺を旅していてプロ野球の日本ハムへの入団が決まった早大の斎藤佑樹投手の記者会見が札幌ドームであったことを知った。ドームを無料開放した日ハムの演出もうまいと思ったが、北海道のNHKをはじめとするテレビ局が生中継したのには驚いた…

735 63の功績 白鵬の連勝記録ストップに思う

大相撲九州場所2日目の15日、横綱白鵬が平幕稀勢の里に寄り切りで敗れ、今年の初場所14日目から続いていた連勝が「63」で止まった。 大分県出身の相撲の神様、あるいは不世出といわれた35代横綱双葉山の69連勝を破ることはできなかった。双葉山は…

731 幻の日本シリーズ第8戦 新聞のテレビ番組の不可思議

新聞には、配達地域によって「○版」という締め切り時間がある。頁左上にそれが書いてある。 私は東京都心に配達される「最終版地域」に住んでいない。それを象徴する出来事があった。多くの新聞が最終頁に掲載されるテレビ欄に、異変ともいえる番組放送が載…

730 野球の醍醐味 ロッテの日本一に思う

10月24日の「スポーツ選手の栄光と挫折」のブログで、日本シリーズは「打線に切れ目がないロッテが勝つだろう」と予想した。昨日の延長15回という激しい戦いでの引き分けに続いて、きょうの第7戦も延長戦になったが、やはり予想通り、ロッテが勝ち、…

726 野球は過去のスポーツなのか BSだけで放映の日本シリーズ

中日とロッテのプロ野球日本シリーズが始まり、第一戦は5―2でロッテが勝った。テレビでこの試合を見ようとしたら、地上波の放映はなくNHKBSでしかやっていなかった。BSを見ることができない人はあきらめろということなのだろうか。 テレビ局の野球…

722 スポーツ選手の栄光と挫折と 10月の季節の中で

シーズンが始まったばかりのフィギュアスケートのNHK杯で浅田真央が惨敗した。過去の栄光を考えると、8位という成績は彼女にとって惨敗といっていい。ショート、フリーともジャンプの失敗が続き、生彩を欠いた演技に目を覆いたくなった。天才と思われて…

706 目立たなかった白鵬 25歳にしてこの風格

大相撲見物で両国の国技館に何度か入ったことがある。印象に残った力士は千代の富士、貴ノ花、そして朝青龍の3人だ。きょうで54連勝と、双葉山の69連勝に次いで歴代2位の連勝記録をつくった白鵬は見ていることは見ているが、ほとんど記憶にない。まだ…

703 礼に始まり礼に終わるのに! 残念な世界柔道最終試合

柔道をはじめとする「武道」は「礼に始まり礼に終わる」といわれる。しかし、柔道が国際的スポーツに発展し、勝負を優先するあまり、本来の礼を大事にする姿勢が失われているようだ。 残念ながら、これを象徴する姿をきょう13日まで開かれた世界柔道東京大…

658 ライバル紙の失敗 相撲協会と記者たち

けさ(6日)の産経新聞の「産經抄」は面白かった。辛口のコラムで知られるが、こんな書き出しでライバル紙の失敗に触れていたからだ。 きのうの朝刊各紙は一面で、日本相撲協会の理事長代行に、元東京高検検事長の村山弘義さんが指名されたことを伝えていた…

653 W杯PK失敗を乗り越えて 駒野選手の今後

スポーツのチームプレーは、すべてがうまくいくとは限らない。W杯で決勝トーナメントに進んだ日本はパラグアイとPKまでもつれ込んだ末、惜しくも敗退しベスト8には進めなかった。PKを失敗した駒野友一(28)に対しては「PKは運の勝負。落ち込む必…

650 W杯余聞 礼文の旅途中で

南アフリカのW杯サッカーを見ていて、「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉を思い出している。それは岡田監督率いる日本チームも例外ではない。辞書によると、道理はどうあれ戦いに勝った強い者が正義者となるというたとえであり、明治維新の結果を指し…

649 相撲のいまと昔 危機の力士たちよ雷電を思え

江戸時代「雷電爲右エ門」という力士がいた。その強さは古今無双といわれ、生涯の成績は254勝10敗、引き分けほか21で、勝率が96.2%、連続優勝7回の記録を残した。 なぜか横綱にはならず、大関のままで引退した。その理由は諸説あるが、真相は分…

627 人生の選択 オチョワ選手の引退

女子ゴルフ世界ランキング1位のロレーナ・オチョワ(メキシコ)が引退するというニュースを聞いて「やるものだ」と感心した。一方で「もったいない」とも思った。28歳だ。彼女は潔い。トップレベルに達したからこそ、選べる道なのだろう。 かつて、女子テ…

615 聞かれなかった日大三高の校歌  山本正夫の名曲

春の選抜高校野球は、沖縄の興南が東京の日大三高を延長戦の末、10―5で破り、初優勝した。 興南の島袋と日大三の山崎の両エースとも疲れていたに違いない。しかし、それを感じさせない投球は、素晴らしかった。本音で言うと今回は山崎君の日大三を勝たせ…

612 燃え尽きない選手たち 世界フィギュアの浅田・高橋

スポーツ選手は「モチベーション」という言葉を好んで使う。辞書によれば「動機づけ」「やる気」という意味だという。人間は物事に取り組むに当たって、この言葉のような目的意識を持つものだ。 一つの目標に向かって突き進み、事が終わった後は「抜け殻」あ…